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7.開催の経緯と成果の概要

前記の高校教諭に対する「マリンサイエンス・スクール'96」と同様に募集は、約1ケ月間にわたり行った。募集の方法は、道内の全高等学校(338校)の学校長並びに理科主任宛に資料3の募集要項を送付し、「本スクールヘの応募の動機」についての作文の提出を求め、それを参考に参加者を決定することとした。
締切りまでに48名の応募があり、できるだけ多くの参加者を受け入れる趣旨で再度受入れ人員の枠を拡大するための調整を行ったところ、「日本財団」の好意により、このうち25名を受け入れて実施することとなった。
今回のスケジュールは、上記の高校教諭に対する「マリンサイエンス・スクール'96」とほぼ同様であったが、担当する講師は、内容を高校生向けにわかりやすく工夫を施し実施した。また、(株)横浜八景島のご好意により、八景島アクアミュージアムの見学も実施され、より豊富な内容となった。
今回も同様に、終了時にアンケート調査を実施したが、本スクール全般についての感想として、参加者全員から「おもしろかった」との声が聞かれ、貴重な体験ができたことを感謝する言葉が多くうかがえた。(資料4)
特に高圧環境体験、体験ダイビング、ROVによる生物観察などの実習が好評で、やはり高校生には、講義よりも実際に体験させることが有意義であるという印象を受けた。講義については、各講師とも、高校生にも分かりやすい内容として実施するよう心掛けたが、まだ不十分な点もあり、生徒達が十分理解できない内容もあったようである。また、多くの生徒がスクールの内容とともに新しい友達と出会えたことを大きな成果としてあげており、講義や実習だけでなく、宿泊施設での生活も大切な事項であるといえる。現状、宿泊施設については、女性用のトイレや風呂が不足しており、これらの増設が必要であろう。
今回は、春休みの開催とあって、高校1年生と2年生の参加となった。そのためか自分の進路や将来に対する意識の差が大きく、全体的に積極性に欠けていた様子がうかがえた。今後は、高校3年生の参加も可能になるように、生徒に対しては、なるべく夏休みに行う方向で検討すべきであると思われる。
また、今回の結果を見ても、8月に実施したマリンサイエンス・スクールに参加した教師からの推薦による応募が多くみられ、教師の与える影響が、非常に大きいことが明らかになった。今後の開催に関しても対象地区の教師に対するスクール開催を先行することは極めて有効であると考えられる。

 

 

 

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